異形コレクション 40『未来妖怪』(光文社文庫)
「社内規定って……」「契約の時読んでいないか? 最後の方に小さく書いてある『神秘主義に傾倒する者は解雇』ってな」
って一節が妙に気になる。どういう社会だとこういう規定ができるんだろう? もちろん「傾倒する者」がそれなりに存在し、かつ、それが危険視されている、*1 また、「神秘」そのものは存在の有無含めて問題ではなく、あくまでも「傾倒する者」が問題であるということだ。
ひょっとしてこの世界では、、我々の現実世界の環境テロリストどものように、水伝やらゲーム脳やらを固く信じる連中が、それらを政策に反映させるべくテロリズムに走り、大規模な人的・物的・経済的損害を社会全体に与えたりしたんだろーか。
- 作者: 井上雅彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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*1:危険視ではなく、例えば「傾倒する者」はそうでない者に比べて有意に間抜けで無能である、という説も考えたが、その場合は間抜けや無能であること自体が、きちんと仕事を遂行できないことになるのだから解雇の理由にできるはず。やはり「傾倒すること」自体が問題であるはずだ。