林譲治『ルナ・シューター〈2〉』(幻狼ファンタジアノベルス)
いつものことながら女性陣が怖い怖い。その裏で動く組織の論理が更に怖くて、でもその実働部隊である男どもは実にヘタレ。にしても本作はいつもにもましてエグい方向へ来たな。とりあえずは期待通りに非人道的で非人間的でハードな方向へ進んでくれるようで楽しみ。ただ願わくは、鳥頭でも前巻を読み直さなくても何とかなるくらいの間隔で、次巻を読ませていただきたく。
- 作者: 林譲治,西野幸治
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 単行本
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乙一『GOTH モリノヨル』(角川書店)
確かに期待水準よりは上の出来で、確かにあのGOTHで、確かに寿ぐべき2年半ぶりのオリジナル小説なんだが、あまりのコストパフォーマンスの悪さにくじけそう。32字×15行のスカスカのページ組みで75ページ、*1 カバーを外して指が擦れただけで印刷のかすれる安っぽさ全開の装幀で1600円。後半の写真家なり被写体の熱烈なファンならともかく、小説を期待して買った読者としては、壁に投げたい気分。
映画「GOTH」の試写を観てインスピレーションを受けた乙一が、急遽、「GOTH」の後日談と言える新作小説を書き下ろした
って、ひょっとして映画なりの外部からの刺激がなければ書く気にならないってこと? 小説再生工場の件といい、ひょっとしてなんか致命的なモチベーションの低下なりスランプなりに陥ってるのかしら。小説家としての能力を誰かのスタンドによってThe Bookに封印されでもしたんだったりして。