似鳥鶏『理由(わけ)あって冬に出る』(創元推理文庫)

 『理由あって冬に出る』(似鳥鶏/創元推理文庫) - 三軒茶屋 別館に背中を押されて購入。やぁ、これはよいものをご紹介いただいたものです。リクリップス - 似鳥鶏 理由あって冬に出る ISBN:4488473016をみると、結構話題になってたようで、アンテナの張り方が足らんぞ >俺。
 設定とか動機とかを抜き出すとかなりドロドロしそうなのに一向にそうはならないのは、作者の腕前か伊神の人徳か。中途に入る蘊蓄とか脚注とか、いちいち好みだなぁ。一番ツボに嵌ったのは↓の台詞ですけど。

本質的に人は皆、矢追純一

 しかしラストの二段捻りな落とし方、黒いよなぁ。この人にも、何作目かでは暗黒面全開なお話を、ぜひ書いて欲しい。あと、↓の各所で繰り広げられる「表紙の人物は誰か」の推理合戦が熱くて楽しい。他のジャンルであればこちらの論理的な組み立てに肯くところだけど、なんせミステリーやからなぁ。叙述トリックに俺が騙されてる可能性を考慮して、袴説に一票。

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)

スーパーダッシュ文庫『よくわかる現代魔法 ファンブック』桜坂洋/宮下未紀

 via スーパーダッシュ文庫 - 2009年7月刊 - ラノベの杜。わはは、これで「醜悪祭」を連想するなというほうが無茶だわな。それであえてこういうタイトルで来るってことは、スーパーダッシュ文庫編集部としては、あれは問題ではない、むしろOKと捉えてるってことですか。恐れ入りました、はい。