フィリップ・プレイト『宇宙から恐怖がやってくる!〜地球滅亡9つのシナリオ』(日本放送出版協会)
『宇宙から恐怖がやってくる』 - 成毛眞ブログの純粋な科学読み物だが帯の推薦文は椎名誠だ。かなりの違和感があるが、少なくとも茂木健一郎ではない。編集者が真面目に作った本であることの証だ
という紹介に感動したので購入。大当たり、実に面白い。
こういう、自分が興味を持ってそれなりに追いかけてるジャンルの一般向け啓蒙書って、うっかりすると「知ってることの再確認」ばっかりになりかねないんだけど、本書からはそういう印象はまったく受けなかったな。もちろん学術論文じゃないんで「まったく新しい、本書が初出な知見」が書かれているわけじゃないんだけど、著者の切り口と料理の仕方が実にお見事。個人的に、一番印象に残ったのは、かに星雲を生んだ超新星爆発が撒き散らした物質が(途中での減速を無視すれば)地球に100トンは届く、という話(p.114)。元の恒星の質量と6500光年という距離と地球の断面積を元に計算すれば誰でも同じ答を出せることなんだけど、でも「この切り口は思いつかなかった、やられた」感でいっぱい。
それと、このフレーズも素敵。これも「言われてみればその通り」でしかないんだけど、しかし実に素敵だ。
光速が有限だからこそ、われわれは宇宙の過去の様子を知ることができる。光速の値が無限だとしてみよう。すると一〇〇億光年彼方の銀河を見ても、今この瞬間の姿を目にすることになる。それはわれわれの銀河系とかなり似ているだろうし、そこから宇宙についてわかることはそう多くない。
- 作者: フィリップ・プレイト,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/03/24
- メディア: 単行本
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あー、今でもこういう「フリー壁紙サイト」ってあるんだ。しかも日々追加されてるとは。結構よそでは見かけなかった絵柄もあるな。