阿刀田高[編]『ショートショートの花束〈1〉』(講談社文庫)

 確かに「騙されやすさチェック」はGoodだ。これ含め掲載されたいくつかの秀作に敬を表し、「買って損した」とは言うまい。しかし、「脳が活性する」なんて表現が幾度も幾度も繰り返される作品を送ってくる応募者と、それを「筆力がある」と評する選者、そしてそれをそのまま出版する編集者に絶望。いやまぁ、応募者はいい。アマチュアだ。しかし選者と編集者はプロだろう。山田悠介だとかケータイ小説だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

乙一『The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day』(集英社)

 最後の未読乙一にしてJOJO。わくわくして積み本の山から発掘したけど、なんじゃこりゃ。岸辺露伴の一人称が、あるページでは「うちら」、その2ページあとでは「私」。自称大ファンにしてプロの物書きが2000日以上かけて、主要キャラの口調すらグチャグチャ? 駄目だこりゃ。