支倉凍砂『狼と香辛料(15) 太陽の金貨(上)』(電撃文庫)

 コルと分かれて二人っきり、ホロが久々に乙女モード。そして「地上の天国」の裏には為替レートに関わる謎が。終盤というか最終回間近に来て、原点回帰っぽい雰囲気。が、途中から、なんか有り得ないほど幸せな大団円ムードが漂ってきて、すれた読者としては、どこでどうどんでんがひっくり返されるか、かえって不気味さが募るほど。きっと何かがおこるに違いない、何かマズいことに繋がる伏線をどっかで見落としてないか、必死で頭を捻る気分が、気がつくと第四幕ラストのロレンスと相似形なあたり、見事に作者の狙い通りに踊らされる読者である。
 そしてラスト2ページ、来たよ!!!

NASA - Emerging Technologies May Fuel Revolutionary Launcher

 via はてなブックマーク - uruloki のブックマーク。やぁ、地上発進型マスドライバー+スクラムジェットの親機+小型ブースター、なんともwktkな構想がえらく具体化に近いところに来てるらしい。
 が、イラストの解説だとEarly designs envision a 2-mile-long track at Kennedy Space Center shooting a Mach 10-capable carrier aircraft to the upper reaches of the atmosphere.とのことで、たしかにレールガンで2マイル加速しマッハ10で射出と読めるけど、2マイルでマッハ10ってことはGoogle先生によると約1800m/s2≒180G強。なんかいくら何でも1桁以上キツいような気が。てかそもそも、この加速度でぺしゃんこにならない構造材の重量だけでえらいことになるな。
 と思って本文を読むと60 mph -- enough to thrill riders, but not nearly fast enough to launch something into space. The launcher would need to reach at least 10 times that speed over the course of two miles in Starr's proposal.とあって、カタパルトで加速するのは「時速60マイルの少なくとも10倍」。600mphなら約11m/s2で、ミニマムがこのくらいということならまぁそれなりに妥当か。けどこの速度じゃスクラムジェットを動かすには足りんなぁ。うーむ、それとも無人機であれば180Gでも、例えば振動さえ抑えればなんとでもなったりするんだろうか。