S/MIMEを導入した三井住友銀行、決め手は「顧客への説明のわかりやすさ」

 いや、実際にエンドユーザーを相手に日々取り組んでる人の科白には説得力があるよね。


 山口氏は、「顧客側を狙われると、銀行側でできるシステム的な対策には限界がある」としながらも、こうした状況の中で顧客がインターネットバンキングについて「怖いので使わない」と思ってしまうことや、逆に「まあ大丈夫だろうから使ってしまえ」と安易に考えてしまうことは、どちらも銀行としては困る状況だとした。こうしたことから、顧客に対して「わかりやすく、継続的な啓蒙活動が何より大事だ」と説明した。

 また、サイトの作成にあたっては、「『これで安全』とは言わないこと」を注意事項にしているという。山口氏は、「ワンタイムパスワードやソフトウェアキーボードなどの対策も、それですべてがカバーできるわけではない。『これを導入すれば安全です』と言ってしまうと、それだけで十分だと勘違いされかねない」と語り、セキュリティ対策の解説では対策で守れることと守れないことをきちんと示すことが重要だとした。