神楽坂淳『征服娘。』(集英社スーパーダッシュ文庫)

 話は面白い、というかこういうのは好きだな。最近はバトルとラブコメが多くなって、めっきり陰謀劇や陰険漫才に飢えてたところだし、*1 闘う司書シリーズや『鉄球姫エミリー』といいこれといい、「ヘビー・ライトノベル」もいいものだ。
 しかし地名・用語は何とかならんか。ティーやチョコレートやラムってカタカナ単語をそのまま使ってるのに、「イーストリア=西方諸国」ってセンスはないだろ。まだしもモデルがすぐに連想できる造語にしてくれたほうがイメージを浮かべやすい。ましてギリシア神話だのキプロス島・ミノス島だのアドリア海って、単なる誤植じゃないだろ。おそらくゲラ刷りぐらいまではすべて実在の地名を使ってて、というか舞台は現実世界だったのが、機械的な置換ができなくなったくらいの段階で「やっぱり架空世界でいこう」ってことになったんだろうけど、*2 編集・校閲は何をやってんだよ。
 ところで『大正野球娘。』の2巻はどうなったのかしら、確か去年の秋ぐらいにはトクマ・ノベルズEdgeの新刊予定に挙がってたし、まさか急転直下打ち切りとかなんかあったのかしら。『暴風ガールズファイト』もよからぬ噂を聞くし、バトル分と萌え分があからさまに含まれてないと流行らないのかなぁ。だとするとこのシリーズは……

征服娘。 (スーパーダッシュ文庫)

征服娘。 (スーパーダッシュ文庫)

*1:十二国記アルスラーン星界の新刊でもあれば癒されるんですが……あとSD文庫以外だと、かろうじてパルメニアものかな。

*2:だとすると理由はなんだろう? 「実在の地名と架空の事件の結びつきによる世界史の学習への妨げ」「実在の国・都市を悪役にしたことにより惹起される偏見」とかのすっとこどっこいなクレームを恐れたのかなぁ。