『マップス・シェアードワールド -翼あるもの-』(GA文庫)

 期待以上の出来、参加した各作家の新作短編にして、紛れもないマップスである。白古橋と秋津ルビを懐かしみつつ、ソフティカとかヨシキとかの渋いセレクションにも感激。また笹本氏の視点は面白かった。確かにあの世界では本来頭脳体は情報処理担当なんだから、アクションばっかりじゃなくこういう戦いだってあった筈なんだな。
 それにしても、おかげでオリジナルの単行本をあちこち読み返す羽目になって、再発見もいろいろ。ネクストシート3巻の有能な社員Aって、奇跡の赤ん坊だったんだな。つい尻尾からドドー人だと思いこんでて、オリジナルとのつながりに頭を悩ませてたんだが。
 ただし気になったのは、重馬氏の話が「あれから四年」の地球なこと。本編ラストシーンの3年後に、地球の偉い人がああいう言動をとってるってことは……