大西科学『晴れた空にくじら 浮船乗りと少女』(GA文庫)

 恋愛関係(は不得手|と無縁)っぽく見える天然の入った主人公って、作者氏のお気に入りなのか自身の投影なのかどっちかしら、なんて失礼なことも思ったりしますが、主人公たちは生死に関わる大事件に巻き込まれてるにも関わらず、予想通りにまったりとした一品でございました。原型とパイロット版も素敵。*1
 いちばん驚きなのは、浮鯨の存在以外はほぼリアル1904年の日本という、地味で一般うけを度外視たとしか思えない題材で「新シリーズの開幕篇」と謳う作者と編集部の気合いだったり。いいぞもっとやれ。

晴れた空にくじら 浮船乗りと少女 (GA文庫)

晴れた空にくじら 浮船乗りと少女 (GA文庫)