霜島ケイ『カラクリ荘の異人たち 2 〜お月さんいくつ、十三ななつ〜』(GA文庫)

 感情移入能力に欠ける少年が、それでもやっていける周りの「人」とそういう場所にいるってだけで、もううらやましすぎてウルウルしてしまうのですな。で、そっちをうらやましがって行きたがってしまって古都子さんにツッコミを入れられてみたかったり。
 こういう地味な佳作(かつしばしば寡作)をちゃんと出してくれるのはとってもありがたい。もっとも、さすがに設定や登場人物を忘れてるな。前巻からこれだけ空いちゃったんなら、できればそのあたりのフォローは欲しかった。説明過剰な本文を嫌うスタイルってのもそれはそれで理解できるけど、ならキャラ表とか、いくらでもやりようはあろうと思う。
 ところで「でれすけぼーこん」は謎だなぁ。出霊助暴魂? 夜更かしする子供に霊障をもたらすあらぶる魂? 「豆腐小僧」なら「豆腐の国からやってきた若殿様」*1で確定なんだが。

*1:リプレイはそれなりに面白かったんだよなぁ。『霧』がなければ……