細音啓『黄昏色の詠使いVII 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ』(富士見ファンタジア文庫)

 名詠のお話は、正直な所、仕組みが分かんない上に、普通は何ができて何ができないかのスタンダードが頭の中に出来上がってないからか、イメージの綺麗さとなめらかさに流されながら読んでるような気がしたり。がまぁ、なんというか、先を気にならせる作者の腕に関してはたいしたもんだよな。焦らさせて大事な所で邪魔を入れて天然に受け流されてやきもきさせることについては、ほんと、見事に乗せられてますわ。