木村心一『これはゾンビですか? 1 はい、魔装少女です』(富士見ファンタジア文庫)

 俺も大概「変な話」好きなんだが、これは……紙一重で地雷か? いや、地雷じゃないな、隠されてない。あまりに「これは危険物です」と自己主張しすぎるので、かえって怖いもの見たさで近づいてしまって、やっぱり吹き飛ばされました、みたいな。
 でもそれにしては、なまじっか話の運び自体は正統派的でキャラクターの感情の動きが最終的にいい話に落ち着いてる分、吹き飛ばされたあとの吹っ切れ感が足りない気もする。改稿して「読める話」にする前のバージョンを読んでみたいな。たぶん、「売り物にするにはちょっとあんまりだ」「でも嵌る人には最高の破壊力」だったんじゃなかろうか。次巻を買うかどうかは、うーん、その月に他を何冊買うか、懐と読書時間に余裕があるか否か、次第かな。
 とかつらつら書いてるうちに、作者はボタンをわざと掛け間違える天才かもしれんという評を見て海よりも深く納得。