静月遠火『パララバ―Parallel lovers』(電撃文庫)

 きれいで素敵な小品。いや、起きてる事件はけっこうえぐいんだけど、そして「こんな理由で」と思わせるぐらいにはあれなんだけど、第一章のマクドでの会話シーンのイメージだけで、もう、私をファンにするには充分でした。それ以外にも、鉢植えとか花瓶とか、「起きてしまったズレ」がいちいちツボだなぁ。
 過剰に切なさなんかを強調する感じじゃないのもまた良い。で、あり得ないしもし本当にそうされたら一気に興醒めで放り投げるところなんだけど、でも読んでる途中には「何とかしてここからハッピーエンドに持って行けないものだろうか」と思ったりもして。

パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)

パララバ―Parallel lovers (電撃文庫)