佐々原史緒『はかなき世界に、最期の歌を―宵月閑話』(トクマ・ノベルズEdge)

 設定も、キャラクターも、会話・掛け合いも、すっごく好みなんだけど、お祖母ちゃんがこういう役どころ、あげな動機でそげなことを、物語の背景エピソードとかではなく本筋で、という一点だけでダメでした。うう、俺って自分の自覚と想像以上にお祖母ちゃんっ子だったのだなぁ。
 どうもすっごい難産だったらしいし、二度三度と発表を諦めては踏ん張り、諦めては踏ん張り、を繰り返してきた作品が売れれば、あれにも望みが出てくるかもしれないし、仁希ちゃんの出番がこれっきりなんて事態には耐えられそうにないし、売れまくることを、陰ながらお祈り申し上げます……