藤原祐『アカイロ/ロマンス 4 白日ひそかに、忘却の』(電撃文庫)

 ここに来て『電撃文庫MAGAZINE』2009年5月号の短編の内容が露骨にリンクしてきたってことは、6巻完結語には短編集『あか☆ろま』も期待していいってことですね? で、性悪メガネがヒロインから主人公に昇格しつつある一方、木陰野軍曹、あれだけ格好良くてなおかつ前座か……
 それにしても、思い出された過去が存外にあっけないのにむしろ拍子抜けしたり。バーサークしてその手にかけてしまったとかのもっとぐちゃぐちゃでドロドロでえげつなくて鬱展開なのを予想してたのに。もちろんこれって、これからクライマックスに向けてどんどんダークになっていくための「タメ」ですよね? >作者殿。
 あと、木陰野家のメタボとーちゃんがいい男過ぎて泣けてくる。キャストは「人間舐めたらあかんでぇ」のホリイさんやろか。すると、ついわけのわからん状況に巻き込まれて面妖な力を使うことになってしまった性悪メガネがダイゴで、カッコいいのに不幸な軍曹がシンジョウさん、型羽がヤズ坊で、パワーよりも陰険心理戦術大好きな繁栄派はさしずめキリエル人。うん、意外にはまるキャストかも。