手島史詞『影執事マルクの忘却』(富士見ファンタジア文庫)

 今巻はめっきりカナメのターン。ではあるんだが、マルク君がなんとも実に無駄に格好いい。

「そこまで気付いていて、確認しようとは思わなかったのですか?」
「そんなこと、エルミナが話したがらないからに決まっているではありませんか?」
「どちらもです。エルミナは元に戻します。カナメの居場所も守ります。どちらもやり遂げればいいだけの話です。私はヴァレンシュタイン家の執事なのですから」

これを当人に聞こえるところで言えれば、給金ぐらいなんぼでも上がろうに、不幸やのう。

影執事マルクの忘却 (富士見ファンタジア文庫)

影執事マルクの忘却 (富士見ファンタジア文庫)