高殿円『プリンセスハーツ 初恋よ、君に永遠のさよならをの巻』(小学館ルルル文庫)

 天然脳みそ筋肉すげぇ。好みとしてはどっちかといえば陰険合戦や宮廷陰謀劇のほうが読んでて楽しいんだが、ここまで突き抜けられると清々しい。

「だれもかれもが己の事情を前に押し出し合っている。そのために、ああだこうだと謀略謀略、また謀略、だ。めんどうくさいことこの上ない」
「ルシード、それはあまりにあけすけな物言いでは…」
「あけすけでもなんでもいい、要は、毒蛇と毒蛇が互いの牙を競ったところで、誰が感銘を受けるかということだ」

 で、ラストでいろいろと怪しげで不安げな仄めかしがなされて、いよいよ大展開、かな? 管理する人が可愛がられて監視・調教される天然さも含め、楽しみ。

プリンセスハーツ~初恋よ、君に永遠のさよならをの巻~ (ルルル文庫)

プリンセスハーツ~初恋よ、君に永遠のさよならをの巻~ (ルルル文庫)