細音啓『黄昏色の詠使い X 夜明け色の詠使い』(富士見ファンタジア文庫)

 うむ、良い大団円、綺麗なハッピーエンドでございました、まる。
 以下は余談。ふと冷静になって役どころを考えてみると、ネイトとシャオ以外は敵も味方も同行組も居残り組も全員、応援団なのだよな。「仲間の力」ものに見えて、実はそうでもなかったのかも。あと印象に残ったのは前哨戦におけるエイダの必殺技……この子は一番の脳みそ筋肉担当だと思ってたのに、いつの間にこんな狡猾で卑怯な技を身につけたのやら。良いキャラだよなぁ、これでお別れとは勿体ない。
 あと、全編を通してやはり気になるのが「イ短調=異端の長」と「灰色=敗者の色」。この世界で人間同士/人間-真精間とで日本語が使われてるのか、はたまた偶然の同音異義語なのか、それとも実はきちんと高度な設定があってこれこそが新シリーズにまで繋がる全ての謎を解く鍵だったりするのか……