『DRAGON MAGAZINE』2009年11月号(富士見書房)

 「ゾンビ」「エデン」「マルク」「白夢」「すまっしゅ」*1の各短編も「カルマ」*2のコミックも面白かった。「ヴェルテ・テラ」の予告も結構良さそうで期待が高まる。何時の間にかドラマガで読むものが増えたな。ひと頃はほとんど「スレイヤーズすぺしゃる/すまっしゅ」しか無くて、「スレイヤーズなら確実に単行本になるから連載で読まなくても良いか」と、ほとんど購読をやめそうになってたんだが。毎号密かに楽しみな「フジミさんが行く」も、今号も楽しい。特に「クダン」氏の「シグナティス」への感想、同業他者評としてここまで書いちゃって良いのかね。
 が、「リウイ」が、(もちろん悪い意味で)全部持ってったな。なにこれ? 小説って言わんやろこれは。ダイジェストとも言えないあらすじに「ここだけは書きたい」or「ここなら書ける」格好いいシーンの描写をちょっと混ぜ込んだだけ。逆に言えば、他の部分は「書く気にならない」or「書けない」んですっ飛ばしたってことだ。20年かけて読者とプレーヤーを巻き込んで積み上げてきたアレクラスト大陸の物語の、クライマックスにしてエンディングがこれですか。しかも、まったく書く気がないのかと思えば、その後の歴史の流れだけはきっちりと規定してやがる。山本領たる西部諸国や清松圏の混沌の地にはさすがに手が出せんが、中原に関しては水野の独裁地であり読者やプレーヤーの自由と想像力にゆだねる気は毛頭ないってことね。

DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]

DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]

*1:扉絵が素敵すぎる。これ、単行本にも再録してくれんかな。

*2:あと、次巻の紹介で、排水溝の幼なじみの何とかいうウザキャラが影も形もないのがGood。このまま消滅してください。