安彦薫『双竜記 3 機械じかけの竜と闇の咆哮』(電撃文庫)

 戦争は一段落。しかしエピローグや終章を見ると、「第一部完」というよりは「大長編のプロローグがやっと終わった」ってとこかしら。ともあれ、第三章の奇襲vs夜襲の入り組んだ計略はなかなか楽しかった。読者の脳みそへの奇襲としては、なかなかに凝った部類に入るかと。*1 偽王子様も順調に人たらしの腕前を発揮し、一方で揉め事の種は蒔かれ新たに第四勢力も参入し、次巻以降も実に楽しみである。
 が、誤植というか校閲漏れ、クライマックスで集中してるところにこういうのは勘弁してくれ。気が抜ける。

 
p.304 7行目 オルグレン ヒューム
p.331 13行目 ネストール ユリシーズ

双竜記〈3〉機械じかけの竜と闇の咆哮 (電撃文庫)

双竜記〈3〉機械じかけの竜と闇の咆哮 (電撃文庫)

*1:ちょいと敵味方識別手段が安直かつ便利すぎる気はしないでもないが。