スズキヒサシ『乱峰の荒鷹―タザリア王国物語〈6〉』(電撃文庫)

 派手な戦が複数合った割には、なんか小休止という感じ。リネア様や蛇さんの動きがあんまりなかったせいかな。それとも2巻続けてジグの身の上に不幸がおきなかった為かも。彼ほど順調な前進が似合わない主人公も珍しい。ま、ようやくナターシが辿り着いてアンブロシアーナの先が見えちゃって、「予言の月」とかいう怪しげなコードネームが出てきて、次巻こそはどん底になるのかしら。
 まぁ、そういう本筋よりもファンの過保護っぷりや焼きもちの方がなんぼか印象に残ってしまうのが、困ったもんだというかそれが面白いところだというか。黒い物体って、その後の踏み込みの早さから見て、やっぱジグとザジが気になってストーキングしてるってことだろうなぁ。「酔っ払っておれに抱っこして寝台まで運んで欲しいのか?」って、お前が抱っこしたいだけやろーっ。