山形石雄『戦う司書と世界の力 BOOK10』(集英社スーパーダッシュ文庫)

 いきなり怪獣大戦争で始まって、形成も立場も二転三転四転五転、そして生者も死者も含めてオール武装司書大進撃、豪快で壮大な最終巻でございました。なんというか、よくもまぁこれだけ変態で極端ですっ飛んだキャラばっかを組み合わせて、王道としか言いようのない展開を推し進めることが出来るもんだ、すげぇなぁ。ハミさんが死にたがりというか殺されたがりなおかげで幻惑されてたけど、考えてみれば「世界は不完全でそこに住む人がみんな不幸だから滅ぼす」なんて中二病患者がラスボスなんだから、対抗手段は元気玉になるよな、当然。
 冷静に話の流れを顧みると、なんか「ご都合主義」という言葉が脳内をちらつきもするんだが、ハミュッツさんが最後にはちゃんと武装司書の親玉をやってたんでもう全部OK。この人が邪悪なラスボスになって完結したりしたらどうしようかと思ったもんなぁ。*1 いや、凄かった、うん。

戦う司書と世界の力 BOOK10 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と世界の力 BOOK10 (スーパーダッシュ文庫)

*1:もっとも、それを期待してた気分もないではない。