三原みつき『ごくペン! 2』(MF文庫J)

 前巻で「続きは書いて欲しくない」的な感想を持ったんだが、残念ながら懸念があたっちゃったような。面白いバカ話として水準以上に仕上がってるとは思う。けど……話のテーマや基本的な組み立ては前巻とまったく同じ、で、それだけでは縮小再生産になるのはさすがに分かってるんで、エキセントリックな新キャラを複数投入し、さらに萌えっ気と最近流行のメタ視点的なパロディ風味でテコ入れしてみました、みたいな。メタなパロディも、これが初めてであればともかく、『僕は友達が少ない』『ラノベ部』や『這い寄れ! ニャル子さん』が世に出たあとでこの程度では、なぁ。
 次は三巻でも新作でもいいけど、バカ方向でも変キャラ増加方向でも萌え方向でもパロ方向でもどっちでも良いんで、こんな中途半端でどっちつかずではなくもっと特定斜め上方向へ突き抜けたものを出してきてくれることを期待。それができるパワーのある作者だとは思うから。