至道流星『羽月莉音の帝国』(ガガガ文庫)

 ハルヒというか女鳥坂に引きずり回される妙テケレンな部活もの、の極北まで行っちゃった、みたいなお話し、と思ってるうちにあれよあれよとまぁ、なかなかにジェットコースターでした。リアル現代*1版『無責任』シリーズ?*2 これ、ホントにこの調子で建国して外交や戦争やらかすところまで話が広がるんなら、とてつもなく変な話になりそうだ。
 ただし、話の構成的に完全にプロローグに過ぎないところで一冊になっちゃってるせいで、「調子こいてる奴が痛い目に合う」が無いのが、ジェットコースターにしては単調に滑りっぱなし、という気もしないではない。もっとも、これで「挫折と再起」なしに行くところまで行っちゃう、というんなら、それはそれで更に怪作にはなるんかも知れん。

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

*1:ただし決済の早さを除く。この世界には20日締めの翌月末払いとかの風習はなさそう。

*2:植木等じゃなくジャスティ・ウエキ・タイラーのほうね。