『SF Japan』2010 SPRING(徳間書店)

 火浦功が外道すぎて他の作品の印象が吹っ飛んでしまった。果たしてこの2ページのなかに彼が書いた文字は何文字あるのだろう。てか、休載にせずにあえてこれに2ページ使ったってのはどういう状況だ? すでに一冊全体の台割りもイラストもすべてできあがり、印刷所にデータを渡すギリギリまで原稿を待って、最後の土壇場にイラストレーターに無理を言ったのかしら。
 日本SF新人賞も発表されて受賞者が短編を書いてたけど、山口優氏のほうはハードっぽく嫌な話を書ける人のようで、受賞作の刊行が楽しみ。林譲治氏が工学的な描写は無茶苦茶(中略)工学的なことをどうしてこんなに無視するのだろうと評してるのがちょいと不安だが、きちんと改稿されることを期待。*1 もうお一人の受賞者のほうは……少なくとも短編の限られた長さの中にきちんと起承転結をまとめることは苦手とされてるようだ。

SF Japan 2010SPRING

SF Japan 2010SPRING

*1:あるいは、『レンズマン』の光速突破的に、分かった上であえてぶっちぎる、というならそれはそれでOKだし。