スウェーデンのIXが中国のDNSルート・サーバを遮断 : ネットワーキング - Computerworld.jp

 ルート・サーバーへの毒注入の件が日本語のニュースサイトでも上がってきたな。

 Netnodは、自社のサーバにインターネットのトラフィックをリダイレクトするような不正なデータが入っていたわけではないと説明しており、セキュリティ専門家も同様の見解を示している。ある専門家は、万里のファイアウォールを機能させるため、中国政府が同国内のネットワークのどこかでデータを書き換えたのではないかと分析している。

という分析が正しいとすると、もはや、「物理的に中国国内に存在する時点で危ない」ということになるわけか。
 で、念のためというよりむしろ気分の問題なんだけど、どさにっきにならってF, I, Jをコメントアウトしておこう。*1

Geekなぺーじ : 中国国内ルートDNS停止事件 雑感

 中国国内用のインターネット検閲システムが中国国外に漏れた結果、チリのISPに影響が出た。I DNSルートサーバに対しての細工は行われておらず、途中経路のルータが偽DNS応答を返してるだけ。中国国内ではDNS Queryに対して偽の結果が返ることがあるのは数年前からの仕様という推測と、その根拠・背景に関する解説記事。参考になる。しかし、実はI DNSルートサーバが乗っ取られたわけでも細工をされたわけでもなさそう

単に、数年前から知られているDNSをターゲットにした中国国内のネット検閲システム一部の挙動に思えます。 今回は、中国国内用のネット検閲システムが国外に漏れて、チリのISPが仮想的に中国の検閲網内に入ってしまい、その問題が発見されて対処されたというだけの話かも知れません。

って、「単に」「というだけ」でいいのかしら? たとえ、中国が中国国内向けに何をしようが知ったこっちゃないという立場を取るにせよ、国内向けに噴霧してる毒が外に漏れてくるってのは、よしんば事故にせよ問題だし、また、少なくとも現時点以降は、「検閲機構の中の人」が「我々には外へ毒を撒く能力がある」と知ってしまっちゃったことになるんじゃなかろうか。

*1:物理的に中国国内に存在するのがF, I, Jだという典拠はRoot Server Technical Operations Assnの下の表。