成田良悟『バッカーノ! 1710―Crack Flag』(電撃文庫)

 いやぁ、見事。この一冊の中だけで、いったい何回どんでんがひっくり返ったことやら。エピローグBには、まだ30ページも残ってると分かってるのに、思わず積極的に騙されそうになったわ。初めてこういうエンドを書いたイコールこれまでこういうのを書かなかったこと自体が、今巻のエンドを際だたせるための遠大な伏線だったようにすら思えてくるな。まぁ作者本人は「いつものようにイキバタです」と謙遜するんだろうけど。
 それにしても俺の中でヒューイの評価がうなぎ登り。悪役として登場してた過去作を読み返しても、見方が180度変わったわ。とするとひょっとして次に1711を読んだら、ラブロヘの評価もこうなったりするんだろーか?