鉄鋼のように強い汎用プラスチックの創製

 これ、じっくり読めば読むほど、なんかものすごいもんが発明された気がしてくるな。トレッキー的にはアルミニウムの6倍の比強度ガラスの代替材としても期待でき透過率99%という高い透明性なんていわれるとどうしたって「ついに透明アルミ」とwktkせざるを得ないし、そこに更に通常のプラスチックより50℃以上高い耐熱性廃材が高率で再生可能な高リサイクル率の可能性もあり、強靭さと弾力性の両立は、鉄鋼をはるかにしのぎ成形性がよく錆ないなどのプラスチック本来の特性も備えていますって、どんだけチートな物性やねん。*1 しかもとどめに従来の成形法を少し改良した成形法で成形ができるために、製造コストは従来のプラスチックと大差はありませんと。
 無数のナノ結晶が整然と並び、これをダイヤモンドと同等の強度を持つひも状分子がしっかりと連結している構造ってことは、言わば、CFRPのカーボンファイバーを単分子ワイヤーで置き換えた、みたいなイメージなのかな。なんか、構造的にもSF屋垂涎の物質みたいな気がするな。

 で、紹介記事のまずは食品容器での実用化を検討自動車の車体を鉄鋼でなく今回の素材に置き換えると、コストが3分の1から4分の1で済むという地への足の着きっぷりでようやく正気に返る。共同研究の相方が食品包装製造のエフピコ福山市)や化学メーカーのサンアロマー(東京)だそうで、そらそうなるわな。うん、堅実だ。

*1:比強度 - Wikipediaの表からすると、アルミの6倍の比強度ってことは破断長換算で約136km。さすがに軌道エレベーターには使えんか。