朱門優『ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。』(一迅社文庫)

 ああっ、綺麗なええ話やのに、神話っぽい雰囲気が実に素敵なのに、姉君の揺るぎない変態っぷりがすべてをぶち壊して驀進していくわ。お願いもっとやって。相変わらずゴスロリの人と陛下の、このお話における立ち位置がいまいっちょよく分からないんだけど、前巻でよく分からなかった姉妹のお話がこうして実に見事に予想のはるか斜め上方向に回収されたからには、その二人も次の冬とか春の話でなんとかされるんだろうな。期待して待つので、願わくば、次はもうちょっと早く。