流れるのが惜しいので保存シリーズ

 サイエンティスト・トーク「宇宙ヨット『イカロス』―太陽の光で宇宙航海中!」 | 日本科学未来館のレポート、とっても盛りだくさん。Togetter - まとめ「日本科学未来館サイエンティスト・トーク「宇宙ヨット『イカロス』-太陽の光で宇宙航行中!」」も貼っておこう。

590 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 16:54:11 ID:abL0wcx1
 森先生講演会終わりました。
 
 前説雑談15分 http://twitpic.com/24a7vi
 本講演1時間 http://twitpic.com/24b9nq
 先生を取り囲んでの質疑応答1時間! http://twitpic.com/24ba2u
 
 講演は椅子50人+立ち見20人以上の大盛況
 講演内での質疑応答が時間切れで無くなった反動?で、
 終了後、みんなが先生を取り囲んで質問大会。
 素人のしょうもない質問にも丁寧に答えてくれて、ほんとにいい人。
 森先生、長時間にわたってありがとうございました。
 
 内輪話やら新ネタやら、イカ坊の先生に会えて大満足!詳細はいずれ。
 31日に相模原でも講演するらしい。
881 :イカロス講演@科学未来館:2010/07/11(日) 21:06:32 ID:fqQ9jHtZ
 覚えてる点を箇条書きで。
 
 IKAROS計画は2007年秋からスタート
 ・次は木星計画 2015〜2020の打ち上げを目指す
  IKAROSの成果を受けて、さらに積極的にアピールしていきたい
 
 今後の惑星探査は、フライバイからランデブー探査へ向かう
  ランデブーするには、軌道投入のために燃料が必要
   なるべく効率よく燃料を使うには
   1.高速で燃料を吹く→イオンエンジン
   2.燃料を使わずに加速→ソーラーセイル
 
 ソーラーセイルについて
  φ50mのセイル(2000平米)だと2gfの力を発生できる→イオンエンジン2基分
  人類が作り出せる最速の宇宙機は、ソーラーセイルになるだろう
 
 
882 :イカロス講演@科学未来館:2010/07/11(日) 21:08:45 ID:fqQ9jHtZ
 IKAROSのΔV
  12月までの6ヶ月で100m/s = 360km/h
  現在までに得た加速は、10m/s = 36km/h
 
 液晶デバイス
  会議室とかに使う曇りガラスのデバイスメーカーとの共同開発品
 
 先端マス分離
  イカロスの3軸の回転速度変化をモニターしながら行った
  Z軸(スピン軸)の回転速度が落ち、X軸Y軸周りには変化が無かった
  →4つのマスを綺麗に分離できたことが写真を使わなくても確認が出来た
 
 
883 :イカロス講演@科学未来館:2010/07/11(日) 21:10:04 ID:fqQ9jHtZ
 セイル展開
  1次展開は11回に分けて回転機構を作動させた
   6/2 #1、#2
   6/3 #3〜#6
   6/4 #7〜#9
   6/8 #10、#11
   回転機構は570回転させる必要がある
   0.041deg/sの回転速度で、総駆動時間は40min
   1次展開の終了時の形は、ほんの少しだけいびつだった
   
  2次展開
   6/9に実行 イカロス本体の振動のグラフでは、280minほどで振動がほぼ収束していた
 
 DCAM
  DCAM2 計画では40cm/secで打ち出す予定だったが、実際には64.5cm/secだった
    本体のジャイロデータ、ドップラー計測により確認
  DCAM1 計画では20cm/sec、実際には35cm/sec
      「はやぶさが自分の影を撮ったので、我々もやってみようと思った」
 
 
884 :イカロス講演@科学未来館:2010/07/11(日) 21:10:58 ID:fqQ9jHtZ
 ギネス
  3つの項目で申請中
   世界で最初のソーラーセイル
   世界最小の人工惑星(DCAM)
   世界最大の人工惑星
 
 ポリイミド
  2種類の膜を使っている
  外側は既存品、内側(1/3くらい)は新規開発品
  内側は熱溶着が可能な膜
  既存のポリイミド膜は、接着剤が必要だが、
  ・アウトガスによる光学部材の曇り
  ・宇宙空間での耐久性
  ・膜厚の増加
  などの面で不利になるので、熱溶着を試みた
 
 無茶ブリ
  森さんへのブログ依頼は、本当にアポ無しの無茶ブリ
 
 
885 :イカロス講演@科学未来館:2010/07/11(日) 21:38:22 ID:fqQ9jHtZ
 忘れてた点を追記
 
 IKAROSのアンテナは、本体の上下面にそれぞれついているが、
 水平方向(膜の方向)には通信ができない。
 今年の8月下旬から1〜2週間ほど、
 地球がイカロスの膜方向に位置するので、
 通信ができない期間が発生する見込み。
 
 一度、通信が途切れた宇宙機を最捕捉するのは、
 なかなか大変。
 1bit通信を使ったりして、なるべく通信不能の期間を
 短くできるように検討をしている
 
 (Up主注記)
 8月下旬は、IKAROSが地球軌道を横切って、
 太陽側に回り込む期間に当たります。
 IKAROSは基本的には太陽を向いているので、
 地球がちょうど真横に見えるようになるんだと思います。
 
888 :イカスレ590:2010/07/11(日) 22:14:29 ID:q1osNIhG
 >>885
 ちょっと補足させて下さい。こんな趣旨の事もおっしゃっていたと思います。
 
 イカ坊には、帽子のキノコのほかに、実はお尻にもアンテナ付いてる。
 それぞれのアンテナが、半球状の指向性パターンを持っている。
 側面にはあえて指向性を持たせていない。それは、帆のアルミ蒸着で電波が
 散乱して、まともに通信できなくなってしまうから。
 
 従って、側面が地球を向く間は通信不能になる。
614 :590:2010/07/11(日) 21:43:28 ID:q1osNIhG
 >>611 盛りだくさんでまとめかねてる内に仕事の早い人が・・・すばらしい!
 
 ところで、以前のスレで出ていた疑問点が、いくつか明確に
 
 Q1. 現在は加速なのか減速なのか
 A.1 減速方向の加速度を受け続けている。太陽に落ち込んでいくほう
 Q.2 WEBページのペーパークラフトの帆の折り方は実物に近いのか
 A2. ほぼ正しい。違うのは、本物は帆が台形型の4枚に分かれてるが、
 ペーパークラフトの都合上、くっついている
 Q3. デブリに当たらないのか?
 A3. (講演会の)帰りに交通事故に会わないかを心配したほうがいいくらい確率は低い
 Q4. 半年以降はどうするのか?太陽に落とす?
 A4. 太陽に突っ込むほどの加速度(=減速)はイカ坊の帆では難しい
 金星軌道に入れるのにも当然足りないので、金星軌道を近地点、地球軌道を遠地点とした
 惑星となって回り続ける
 Q5. HFC32Aが尽きたら?液晶だけで姿勢制御可能?
 A5. たぶん尽きたときが寿命。液晶だけでは、かなり難しいと思う
 
 まずはこんなところ。過去スレとメモと照合して他にもあったらまた書きます。
 
615 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 21:46:10 ID:kkcloZed
 そういえば、一次展開中の謎の角加速について何かお話あった?
 
616 :590:2010/07/11(日) 21:48:40 ID:q1osNIhG
 >>615
 直接はなかったです。いくつか想定外のことが・・・でも概ねシミュレーション通り・・・程度でスルーしてしまいました。
 
 
617 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 21:59:11 ID:O89wiVH8
 未来館での講演行ってきた
 >>590氏のレポにもある通り、大盛況でしたね
 講演本編も興味深いお話だったけど、その後の延長戦的な囲み質疑応答が熱かった
 質問すると質問したこと以上に答えてくれる森先生いい人過ぎw
 大変ありがとうございました
 その質疑応答のときに森先生がおっしゃっていたことなんだが
 収納時に帆についた折り癖が光の反射になんらかの影響を
 及ぼしているっぽいという話が個人的に印象に残った
 ちなみに、イカ坊の中の人のことはバラしちゃいけないと
 口酸っぱく言われたんだそうなw
 
 講演の写真詰め合わせどうぞー(pass:neru)
 ttp://balsamic.fam.cx/up-fragola/download/1278852237.zip