丈月城『カンピオーネ! 7 斉天大聖』(集英社スーパーダッシュ文庫)(透明部ネタバレ)

「迷惑な神様がいて、俺にしか倒せないから俺が闘うのはいいんです。かまいません。でも、俺の力は俺だけのものだ。誰かの自由にさせるつもりはない。俺が気に入らないことに使う気はないし、そのことに文句を言われても聞く気もないんです」
(中略)
「女の子ひとり見捨てて、もっとたくさんの人を助ければいいとか言うヤツは、自分で神様と戦えばいい。俺の知ったことじゃない。でも、俺にどうにかして欲しいなら、俺の流儀に合わせてもらう。要はそれだけの話です。他人の力を当てにするなら。四の五のうるさいことを言うなってことですよ」

カンピオーネとして、また一つダメな方向にステップアップしてしまう護堂くん格好いい。この後の決意表明も含め、いよいよ「魔王」として一皮むけたというか、このお話全体として「序盤戦終了」という感じ。ハーレム以外にも、お姉様と、気のあいそうな変人の友人と、相棒と、なんかいろいろとゲットしたし。
 しかしハーレムはどんどん強化されるし権能の新たな使い方は出てくるし、徹底的に、正義でもなんでもなく趣味のために戦ってる怪獣大戦争が楽しい。↑のような動機の身勝手さもそうだし、新たな力も、主人公が人々の思いを力にするって言ったら普通はもうちょっと違う雰囲気を想像するもんだが、「煽動して恐怖と怒りを引き出し無理矢理に束ねる」力ときたもんだ。いやぁ、神様ってえげつない。
 で、このシリーズ、尻上がりにどんどん面白くなってきた。次はいつもよりまったり穏やかなエピソードが続く予定らしいが、さて、この顔ぶれで何がどう「穏やか」なのか、実に楽しみだ。

カンピオーネ! 7 斉天大聖 (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

カンピオーネ! 7 斉天大聖 (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)