平坂読『僕は友達が少ない 4』(MF文庫J)

 今巻も楽しく残念でした、まる。予想外に登場してきたシスコンのお姉ちゃんがなかなか楽しい。いわゆるフラグ立てを地味に進めつつありながら素直でない二人がうじうじやってるところへ、いきなり参戦してさらに物事を引っかき回してくれたりすると面白そうなんだが。というかぜひ何とかしてさらに物事を混沌とさせて欲しい。前巻末の夜空さん渾身の一撃をこうまであっさりと受け止めてそのまま日常に回帰しておいて、今巻末の電話からいきなり「本筋」の話が進むとか、夜空ファンとしては許しませんよ。帯にもなったp.146の台詞に示される認識と、王様ゲームラストの動揺っぷり、可愛くて仕方がないじゃないか。
 『コミックアライブ』も付録目当てにきっちり買ってしまって、なるほどこれは確かに内容的に文庫への収録は多分ないわ。しかしいくら付録とはいえこれで金を取るか? と一瞬思ってしまいそうになったんだが、

おまけ冊子3回よんで気がついたが、
これは雑誌の紹介に見せかけた、
「実は私は夢のなかでもタカがでまくりなんだが」
という夜空のデレカミングアウトだったわけか

という指摘で作者に惚れ直した。凄いわ、この人。

僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)

僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)