ハワード・フィリップス・ラヴクラフト[原作], 宮崎陽介『狂気の山脈』, 原田雅史『インスマウスの影』(クラシックCOMIC Cコミ)

 『クトゥルフの呼び声』もそうだったが、本編以外のパート、森瀬繚氏の解説とかアーサー・C・クラークの若かりし頃の過ちとかは抜群に面白い。本編コミックも、『狂気の山脈』は悪くない。もうちょっとグロく描写してもいいような気はするが、ラヴクラフトの「科学面」を強調したいという意図があるようだし、ま、こんなもんだろう。
 が、『インスマウスの影』のコミック部、これはちょっと……。すでにあちこちでさんざん指摘されてるようだけど、これは擬音とキャラのポーズとダービー弟に人形にされた花京院の顔デザインを荒木飛呂彦からパクってると言われても仕方のないレベル。まぁ、今どきの若手の漫画家で荒木飛呂彦の影響をまったく受けてない人なんて存在しないだろうし、同じ擬音とポーズでも上手な漫画家なら「リスペクト」と主張できそうな使い方なんだけど、下手な奴がやるとパクリにしか見えないので困る。

狂気の山脈 (クラッシックCOMIC)

狂気の山脈 (クラッシックCOMIC)

インスマウスの影 (クラッシックCOMIC)

インスマウスの影 (クラッシックCOMIC)