神楽坂淳『大正野球娘。 4』(トクマ・ノベルズEdge)

 完全に年1冊ペース。登場人物紹介のページだけでも14人出てくる群像劇で、もちろんそこに出てこないライバルサイドにもいろいろと因縁のあるキャラが配置されてて、それでこのペースはかなり辛い。これが同じ遅筆でも例えば『アルスラーン戦記』みたいに、第1部の頃はそれなりのペースで発行されてたのでその時期に充分に印象づけられた、とかのベースがあればまた違うんだけど、ようやく4冊目でずっと年1冊ペースとなると、脳みそに定着しやしねぇ。
 今巻も、実に楽しく面白いんだけど、完全に「決戦前夜」でおしまい。食事会がどう勝負に結びついたのかもゲストがどういう役どころだったかの謎も放り投げっぱなし。これでまた、そういう謎解きが必要だということを忘れた頃にならないと出ないかと思うと、非常に悲しい。

大正野球娘。 4 (トクマ・ノベルズ Edge)

大正野球娘。 4 (トクマ・ノベルズ Edge)