柳実冬貴『Re(アールイー):2 バカは世界を救えるか?』(富士見ファンタジア文庫)

「俺はな、理想の自分になるためならばどんなことでもやるのだ!」
「理想の自分……ですか?」
「そうだ。困っている人間がいれば助ける。泣いている女の子がいれば涙を拭う。そして、異能バトルがあれば参戦する。悪魔が現れれば迷わず契約する。街の人間がゾンビ化すれば生き残りを先導してワクチンを手に入れる。空から女の子が降ってくればお姫様だっこでキャッチする。それが俺、佐藤光一の生き方だ」

 うはぁ、格好ええ。実にダメ格好ええ。たとえダメ人間方向でも、これだけ全力で断言されると格好いいよねぇ。にしても、いきなり2巻目で能力泥棒(アビリティハッカー)との正面対決になるとは思わなんだが、逆転勝利のさせ方が実に正統派能力バトルしててGood、パワーより観察眼とひらめきとトンチと悪知恵。実に楽しくてたまらん。なにげに《超越者(ギガ)》やら《誘雷針(タケミカヅチ)》やらの便利小道具もキープしたままだし、この調子でどんどん突っ走って欲しいなぁ。まぁ、元々がタイムリミットの設定されたお話しだし、黒幕も隠れるつもりが有るようで無さそうだし、そんなに大長編にはならんのかも知れんが。