asahi.com(朝日新聞社):カニ型探査車、砂漠で修行中 NASAが模擬探査公開 - サイエンス

 目的地が小惑星になってもほぼ同じ設計で対応できるでしょう……えっ? 車輪の摩擦力で動く機械が安定できる重力を持った小惑星ってこと? いったいどこを想定してるんだろう。*1 別の記事でも実験から学び、どこでも活躍できる試作モデルを目指すとあるし、これをベースに想定してる目的の重力ごとに最適化する、というよりは同一モデルで全環境対応という感じ? 地球上で開発してそのまま火星でも月でも小惑星でもって、なんというか、いわゆるステロタイプな「アメリカ的力業」だなぁ。

*1:この動画あたりから、足を動かした時の車体の上下動の加速度を算出したら、表面重力がそれよりも大きい小惑星を絞り込めたりして。

おかもと(仮)『伝説兄妹!』(このライトノベルがすごい!文庫)

 キャラもストーリーもイラストも、実にすっとこどっこいである(注:たぶん誉め言葉)。はっきりいって荒い。マンションなのかアパートなのかアパートの裏山なのか商大の裏山なのか、勢いで書いてそのままにしてるんじゃないか? と思たらあとがきによると改稿を繰り返し徹底的に誤字脱字を洗ったんだそうな。それでこれかい。
 と、まぁテクニカルにははっきりいってかなりgdgdなんだけど、しかしすっとこどっこいパワーだけで押し切られた気はする。それと、ラストシーンでの説明のすっ飛ばしかたはなかなかツボに入った。なんというか、こんな話もたまには読んでも良いか、みたいな。あと、リクリップスとかラノベマップからいろんな感想を拾って歩いた感じでは主人公のDQNっぷりが不評みたいだけど、それはあまり苦にならなかったなぁ。てか、ダメでクズな奴が、自分をダメなクズと自覚して、でもずっとダメでクズなことしかできないで、それが立ち上がるからこその共感とカタルシスだろ、このお話の醍醐味。
 もっとも、だからといって、何かの間違いで本作が売れまくって、作者と宝島社が調子に乗ってしまって同じような作品が続々出てきたりすると、それはそれで実に恐い未来像だな。きっとこの作品には、ライトノベル界の3大奇書あたりで何年か後に「そういえばこんなのがあってな」と話題にされるのが最も相応しい気がしないでもない。

伝説兄妹! (このライトノベルがすごい!文庫)

伝説兄妹! (このライトノベルがすごい!文庫)