大詰めWinny公判が突きつけたソフトウェアの明日


 「著作権を侵害する行為を蔓延させて、著作権を変えるのが目的だったんです」

つまり先ほどの「刃物」の例でいえば、「人を殺そうとしている殺人者の集団を目の前にして、彼らに『この刃物なら絶対にばれずに人を殺せる』と特殊な刃物を差し出す」という行為をとった場合はどうか。刃物そのものについては罪はないとしても、配布行為には問題はないのか。

 2ちゃんねるなどでの金子被告の書き込みを読めば、検察官が指摘するように、彼が確信的にWinnyを配布していたのは明らかなように思える。彼の発言は開発スタート当初から逮捕後まで首尾一貫していて、まったくぶれがない。それらの供述に対する「警察官の作文だった」という弁護側の反論は、まったくもって根拠が弱いといわざるを得ないように思う。
 ここまで分かってて、なんで今回の裁判の流れは私にとって、きわめて残念な内容だったと言わざるを得ないという結論にいたるのかしら。煽動者の罪は、煽動されたサルより重くて当然だと思うがねぇ。