指が腐ること(利己的に考える - 大西科学)

過去の作品が手に入れにくいということは、現在作品を発表している人にとっては「競争相手の失点」に相当するからである。仮に昔の優れた作品が無料であると、現在のあまり優れてはいない作品(私の小説のことである)に回ってくるチャンスが減少するのだ。こんな利己的なことを書いて、よく指が腐り落ちないものだと自分でも不思議だが、要するに「できれば自社製品で市場を独占したい」ということなのである。

 なるほど、これは「素晴らしい洞察」、目から鱗。延長論を支持している人達は、自分たちの「製品」が古典的名作群に敵うべくもない程度の品質であることを自覚したうえで行動してるのであったか。うーん、深謀遠慮、謙虚にして己が分をわきまえた日本的美徳の持ち主だねぇ。傲岸不遜で偉そうに見えるのはきっと謙虚さの裏返しの照れ隠し、「ツンデレ」というやつだな。