ハリーに揺れる米キリスト教原理主義 (ニュースを斬る):NBonline(日経ビジネス オンライン)

 いったい彼らはポッター・シリーズの何が気にくわないのだろうか。その共通する論点を要約すると次の通りである。
 「愛、友情、勇気を鼓舞する物語ではあるが、魔術と魔法使いを基本的な要素にしている。魔術や魔法使いが、普通のものであるかのごとく、時には救済であるかのように描かれている。反キリスト教的な魔術・魔法使いを普通のものとして受け入れさせる巧妙な仕掛けに満ちている」
 もちろん、こうした議論は非キリスト教徒の私たちには全く説得力を持たない。
 妖精や魔法使いの登場する物語は昔から数限りないし、超能力や超科学技術の登場するSF映画など、私たちはそうした空想的な要素を物語の道具として子供の頃から楽しんできた。ポッター・シリーズを読んだからといって、子供が魔法使いの実在を信じるわけでもない。「子供がオカルト主義に汚染される」という心配も、進化論も受け入れることのできない人々がそれを言うのか、と思うと笑ってしまう。実際、米国のキリスト教徒でもポッター・シリーズを受け入れている人々の方が多い。

 確かに、これもまた「お前が言うな」だな。