大森望・日下三蔵[編]『虚構機関―年刊日本SF傑作選』(創元SF文庫)

 好きで追いかけてる作家さんの作品は追いかけてるが故に既読のものが多く、したがって本全体に占める「好みに合い、かつ、未読である」作品の割合が必然的に下がってしまうという罠に嵌ってしもうた。ちょっと残念。

北國浩二「靄の中」

 オチの切れが命、みたいな作品なんで、うっかり感想を書くとネタバレになりそうだけど、えげつなくて身も蓋もない話は好きだなぁ。

林譲治「大使の孤独」

 ミステリー仕立て、の割には題名が出オチのような気が。さすがにこういう本に連作短編の一つだけを収録されるとちょっとツラい(ってのは作者なり作品の問題じゃなく選者の責任ではあるが)。予告されてる同シリーズの長篇次回作に期待。

虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)