犬村小六『とある飛空士への恋歌』(ガガガ文庫)
上手いなぁ。話としては思いっきり序章なんだけど、雰囲気と設定だけで一冊読ませて次を待ち遠しくさせてくれるわ。*1 今回は『追憶』みたいに「皇女様はこんなにきれい」的な描写が鼻についたりもしないし。*2 雲と自転車のシーンなんか、「SFは画だねぇ」という名言を思い出してみたり。
しかし国名も歴史上の出来事*3も飛空機のデザイン*4も別物で、共通点は大瀑布と水素電池ぐらい? これからの移動先にレヴァームとか天ツ上があるのかしら。イスラが浮く岩でできてるとか浮く岩の上なのに1G環境で高度2000mだけど気圧は誰も気にしてなさそうとか風を操るとか、やっぱあんまり考証に頭を悩ましたら負けなのかしら。ウィルス感染で進化した特進種が練気を操ったりする作者さんだし、ま、いっか。
それにしても今回の「ガ報」で悟った。世の中には折り込みで平然とネタバレする編集者がいるのだということを。
- 作者: 犬村小六,森沢晴行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 文庫
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