老化を遅らせる「iFood」って何? - 食品研究者の夜食日記

同位体を持つ分子の結合は、通常の分子と比べて強力になっています。例えば、水素(H)の同位体である重水素(D)の水素結合は、Hと比べて80倍の強さがあるとのこと。
(中略)
 重水素と酸素を結合させてできるのが”重水”で、見た目は普通の水と変わりませんが、文字通り重く、重水から作った氷は水に沈む性質などがあります。この重水などを使って作られた農作物や畜産物などが、「iFood」と呼ばれているようです。つまり、同位体が含まれるiFoodを食べることによって、それら同位体を体に取り込み、タンパク質などの体の構成成分にすることで、活性酸素に対して抵抗性を発揮しようというものです。
(中略)
 実際、体内の水分を重水に置き換える動物実験をしたところ、少量のものは長く生きる結果が出たようです。しかし、体内全体の25%を超えたあたりから有害となり、35%を超えると逆に死を招くとのこと。

 へぇ、面白い。が、謎だ。水素結合が強くなって抗酸化力が高くなったその分子、本来の反応は元の分子と同じようにするんだろうか。水素原子を含む分子の反応性が根こそぎ変わったりしたら、生命活動をまともに維持できるような気がしない。
 各分子内の水素原子に「活性酸素によって壊される反応には寄与するけど体内での本業の反応には寄与しない部位」がうまいことあって、そこが重水素になってれば、「壊れにくいが元通りの反応をする」こともあり得るのかな? で、取り込む重水が少量の場合と25%越えの場合で、そういう都合の良い部位のみが置き換わったものによるプラスの効果と、反応性が変わることによるマイナスの効果が入れ替わる、とか。うん、素人考え的にはもっともらしいじゃないか。
 てことはその部位をピンポイントで重水素に置換した、遺伝子組換え食品ならぬ「原子組換え食品」であれば、副作用無しに老化を遅らせてくれたりすることもできたりしないかなぁ。