田中哲弥『猿駅/初恋』(早川書房)

 うーむ、この改行のない狂気の文体、『異形コレクション』とかと違って一冊にまとまったのを続けて読むと、脳みそが田中色に染まるのう。「朝ごはんが食べたい」とか『大久保町』の頃は思考疾走*1の一種かと思ってたけど、むしろ筒井系なのか。
 ところで本書の中で一番ショックを受けてかつ心に残ったセンテンスが↓だった俺は、いったいどうしたらいいんでしょう。なんかええ話っぽく終わりかけたってのに最後の英題で"APE"の位置についうっかり脳内で"Livind Dead"を置換してしもうたせいで台無し感いっぱいやし。

ということを書きはじめると、嘉手納にハリアーはあったかなあだいたい神戸で戦闘があった場合に考えられる米軍のフォーメーションはなどと言いたい人が必ずいると思うが、そんなことばかり言うから君には友だちがいないのだ。

猿駅/初恋 (想像力の文学)

猿駅/初恋 (想像力の文学)

*1:『食前絶後!!』の五感魔術のやつね。