川口士『星図詠のリーナ』(一迅社文庫)

最後にお姉様がいいところをすべてかっさらっていったような気もしないではない、というかめっさ気に入りましたわ。

「私よりも年下なのに、私よりも背が高いことよ」

 もちろんそれ以外も充分に面白い。ちゃんと地図の整備が町と人をどう変えるかが丹念に書かれていて、なかなかGood。新しい土地へ行って新しい人と会うことの良さを書いたお話ってのはけっこういろいろあるけど、こういう切り口は新鮮でした。
 あと、↓の考察がいろいろと興味深かったのでリンク。

 ま、経済面の設定にまるで気づかなかった程度にはもともとファンタジー脳の読み手としては、不思議要素の暗示は、はずさない籠手、負けない占い、第十区の祠の碑文、あたりで十分かな、とは思うんだけど。
 それと、↓に全力で同意。というか、本書最大の欠点は、巻末に「少しだけ詳しくなった地図」が載ってないことだ!!!

最後に一言。2巻ではぜひリーナの世界地図を挿絵で入れて貰いたい。できれば前巻の粗筋紹介と次巻の予告を兼ねて冒頭と巻末の2箇所に。

星図詠のリーナ (一迅社文庫)

星図詠のリーナ (一迅社文庫)