月面二足歩行ロボットの意味: [間歇日記]世界Aの始末書
あの提案を馬鹿にしまくった*1一人として反応。
「そりゃ、将来、月や火星にはトーゼン人間は住むでしょ」
「わしらが、わしらの子や孫や曾孫が、いつまでも全員地球に住んでいられるとでもお思いか?」
“人類は遅かれ早かれ宇宙に進出せざるを得ない”
というあたりにはまったく異論はない。*2
けれど、“そこに将来人類が住む”というところまで長期的に本気で考えれば、二足歩行ロボットから取れるデータは、将来、大いに役に立つ
かどうかについてはちょいと疑問が。そのデータってのは具体的にどういうもので、それは二足歩行ロボットを現地に送り込む以外の手段では採れないものなのかしら。例えば月面の真空だの温度環境だのレゴリスの機械装置への作用だのに関するデータなら、形状が二足歩行なら採れるがクモ型とかヘビ型とかそのほかとか
で採れないデータなんてちょっと思いつかないし、人間向け居住区を作った後そこに人間が入る前に試験するとかの用途でも、必要なのは中で歩き回ってみることよりは気密度とか放射線遮蔽特性の試験とかだよな。*3
居住区が出来てそこに人間が入って運用フェーズに入った後の助手/執事/メイド役としてのロボットならそれなりの意味はありそうだけど、それでも二足歩行型でなければならないとは思わない。地球上の既存の家屋内における介護ロボットとかであれば、人間そっくりの形状と動作であることには大きな意味はあるけど、これから新しく月面に建設する居住区なら、最初っから例えば車輪駆動のロボットでも動作に支障がないような設計にすればいいだけのことだ。もちろん地球上で既に充分にご家庭向け二足歩行ロボットが普及しててそれを月面での生活でも使いたいって状況ならそうすればいいけど、その段階では既に6分の1G環境での動作試験以外は、わざわざ確かめなければならないことなんて無くなってるような。