最近のいまいっちょ×2

時田唯『有川夕菜の抵抗値』(電撃文庫)

 会長のキャラはいいねぇ、水前寺邦博プラス面堂終太郎を三割ほど幼くした感じか。トラウマもしくはかつて起きてしまった悲劇に対する代償行為として、若者たちがあがいていく、という点では実に王道なんだけど……ちょいと台詞に頼りすぎではねえか? あと茜さんがなぁ、これが500年前の人柱とかなら、まだ諦めがつくんだけど。

 あと、冷静に見ればこれ、親と教員との間で基本的にはすべての決着がついてて、主人公とその周りのキャラはそのお膳立ての中で感情を納得させるために動いてるだけなんだよな。いやもちろん現実はそんなもんだし、であればこれは実にリアルな作品だとも言えるんだけど、そんなリアルさ求めてライトノベル読んでるんじゃねぇよなぁ。

神代創『ソードジャンカー 3』(GA文庫)

 やはり前巻同様、でてくるキャラがどういう人物だったのかピンとこないままに話が進む印象。あとがきによると最初の企画段階では、ここまででノベルズ一冊だったとのことで、確かにまとめて読むとかなり印象は変わりそう。
 それにしても、これ以上ないほどに第一部完だったわりには盛り上がらんなぁ。というかわざわざ主人公の性格を盛り上がらん方向へ変えていくって、たぶん何か第二部へ向けての大きな意味があるんだろうけど、この本単体としてみたときには、盛り下げる方向にしか作用してない気が。『ディアブロガンナー』の時にも感じたんだけど、ひょっとして、キャラの心理描写に依存しないお話作りを心がけてるってことなのかね。しかしそれって淡泊だったり内面が描写されないキャラばっかりでいいってことじゃ無いんじゃなかろうか。

 さて、第二部はあるのかな? 作者がブログで悲痛なor正直な叫びを上げてるのを見ると、やばそうな気もするなぁ。