上遠野浩平『ヴァルプルギスの後悔 Fire2. Spitting Witch』(電撃文庫)

 『騎士は恋情の血を流す』に続いてのスーパー上遠野大戦。さらにエピローグの続きがそのまま『電撃文庫MAGAZINE』に掲載されるという、これはもう狙ってやってるんだよな。既刊のあっちからもこっちからも登場人物とシーンと伏線が集まってきて、あっちを参照しこっちをチェックしながらじゃないと何が何だか訳分からん。MAGAZINEの「第十三炎『似たもの同士』」のほうには更に怪しげな立ち位置の新キャラまで投入されてるし。
 しかし訳分からん状態のまま、とりあえず頭から尻尾まで全編クライマックスとばかりに詰まった能力バトルっぷりを読み進むだけでも面白いところが、さすがとしか言いようがないわ。お見事。無敵キャラが追い込まれるのがこんなにワクワクするものだとは。