大西科学『晴れた空にくじら 3 浮鯨のいる空で』(GA文庫)

 クライマックスでの変心が初読ではなんかよくわからなんだ。p.206末で気を変えて、それがp.208末で浮珠を自分で割らず依頼したことで表現されてるのか。なんと微妙な。しかしそれより、登場した社長の描写が妙に生き生きしてないか? ひょっとすると、というかやはり、おっさん主体で浮鯨と浮珠と浮船の存在から外挿した世界の有り様を書きたかったりしたんだろうかしら。*1 せめてせっかくだから、この世界の歴史が史実からどう改変されてるかの年表ぐらいは欲しかったな。第二次旅順総攻撃で大勢が決し、東郷平八郎日本海海戦ではなく「組織的な上空からの弾着観測」で歴史に名を残したのだろうか。

*1:ラノベのレーベルから出してもらえるとは思えんけど。