とりあえずあらすじから、もっと変で奇怪で毒と狂気を孕んだ不条理な話を期待して購入。が、いきなり続刊前提(しかも10/11月に予定なし)で、謎の歪みは続刊以降回しと断言された、普通に「ちょっと良くてちょっとエロい話」だった。うーん、面白くないわけではないが、あらすじから掻き立てられた期待には遠く及ばず、だな。少なくとも「まる一冊かけてちょっと良いプロローグ、本編は三ヵ月以上あとになるんでじっと待て」を素直に了解できるほどの出来ではない。
……書いたのが他の作者なら、典型的学園ラブコメから上手いこと外したちょっと変な作品としてそれなりに評価に値するんだが、あの森田季節の新作がこれか……あぁ、そういえば紙くずが挟まらなくなってるが製本所でも変えたかな……
やっぱここの編集部には学園ラブコメのテンプレがあるに違いない。で、それを森田季節に無理矢理なぞらせると、こういう奇っ怪なお話ができるんだろう。あとがきを一見するとまるで作者が自発的にこれを書き出したように思えてしまうけど、いきなり2行目から「このあとがきにはかなり嘘が含まれている」と暗黙のうちに語ってるようなもんだからな。
